助産学で目指す教育目的
助産師としての高い倫理観を持ち女性の生涯にわたる健康生活支援と安全で安心できる確かな助産技術と助産実践上の課題に取り組むための研究力を備えた自律した助産実践能力を有する助産師を育成します。
教育課程修了で得られるもの
・修士(看護学)の学位 ・助産師の国家試験受験資格 ・受胎調節実地指導員
助産学のカリキュラムポリシー
- 助産実践上の知識、技術、専門職としての態度の修得レベルをあげるため、ローリスク妊婦ケアと10例以上の正常分娩介助後、経験した事例をもとにシナリオを作成し、徹底したシミュレーション学習を行う。
- 周産期の臨床思考を身につけるために段階的に助産実践能力の客観的評価を実施する。
- 妊娠・分娩・産褥・育児期を継続して支援する能力を養うため、1 年次から実習を配置し、継続事例のうち1例は1年間受け持つ。
- 高度な周産期母子医療に対応した実践能力を修得するために、ハイリスク妊産褥婦ケアを含めた特論や演習科目を強化する。
- 研究科における研究方法論(量的研究・質的研究)や看護理論、英論文作成概論等を1年次から履修できるようにし、研究を行うための基礎的知識を活用し、仮説を構築、検証することや、実践上の課題を解決できるようにする。
- 公衆衛生看護学との合同科目の履修により、課題探究、多職種連携・協働についての実際を学ぶことができるようにする。
- 香川県の課題を把握するため、香川県全域で実習を行い地域包括医療・ケアについて学ぶ機会をつくる。
助産学のディプロマポリシー
実践者養成コース助産学に2年以上在学し、所定の単位を修得するとともに、必要な研究指導を受けた上で特定の課題についての研究成果の審査及び最終試験に合格し、次の条件をすべて満たすものに修士の学位を授与します。
- 責任遂行能力:助産師としての高い倫理観を持ち、高度な専門職として対象者のニーズに対して応答できる能力を身につける。
- 助産実践能力:安全で対象者に満足のいく助産ケアの提供のため、科学的根拠に基づいた自律した助産実践を行う能力を身につける。
- 課題探求解決能力:助産実践を変革させうるうえでの課題を見出し、解決に向けて研究を遂行する能力を身につける。
- 連携・協働力:助産学領域の実践上の課題に向けてマネジメント力を発揮し、組織及び多職種と連携・協働できる能力を身につける。
- 地域貢献力:社会の動向を踏まえ地域の母子保健活動を推進するために、全ての女性、乳幼児、家族の健康増進に向けて支援できる能力を身につける。
助産学と公衆衛生看護学の学生が合同で行う『地域包括ケア実習Ⅰ・Ⅱ』
実践者養成コースでは助産師と保健師を目指す学生が合同で学ぶことにより地域の母子保健に関する課題や健康危機管理に関する課題を明確にして、他職種と協働して構築する地域包括ケアシステムや地域づくりを体験的に学ぶことが可能です。
実習科目
- 助産学実習Ⅰ妊娠・分娩・産褥期まで一貫した助産師としての関わりについて学ぶ。特に、妊娠・分娩・産褥新生児期における経過診断と健康生活診断について理解し、助産診断と健康生活支援ができる基礎的能力を修得します。
- 助産学実習Ⅱ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期における母子とその家族への助産過程について、助産学の基礎となる理論をもとに臨地の場で学ぶ。特に、対象者が地域生活者であるという視点を踏まえて、的確な助産診断を行い、正常分娩介助を主とした実習(妊娠分娩産褥新生児期)を展開できる。また、臨地実習を通して助産のあり方と職業アイデンティティの形成が図れるように実習します。
- 助産学実習Ⅲ自律した助産実践に必要な異常徴候の早期発見とアセスメント能力を高めることができるように、ハイリスク妊産褥婦および新生児の病態生理と治療法を理解し、ハイリスクを対象とした総合周産期施設での実践を通して学修する。自律した助産実践について学修するために、院内助産システムを導入している病院及び助産院で、助産師外来・院内助産の実際を学びます。
- 助産学実習Ⅳ周産期における助産管理の実際、およびリスクマネジメント・災害時等の助産師の役割について理解し、助産におけるマネジメントの実際について学ぶ。さらに、将来開業または施設における院内助産の開設を視野に入れ、その際に必要となる管理の実際について臨地実習を通して学びます。
●主な実習施設
香川県立中央病院
高松赤十字病院
ぼっこ助産院
香川大学医学部附属病院
屋島総合病院
高松市保健センター
●香川県全域で実習を行います
小豆島中央病院
三豊総合病院
四国こどもとおとなの医療センター
さぬき市民病院
花城 朱音さん 2024年度入学
看護学専攻実践者養成コース
助産学 博士前期課1年
- 私は、女性の人生に寄り添う助産師を目指し、本学の大学院に進学しました。
本学の大学院に進学しました。大学院では、自ら問いをたて、課題を探求するという学習が多いのですが、本学は教員と学生の距離が近いので、困ったときにはすぐに助言やアドバイスを得ることができ、納得のいく答えをみるけることができます。また、上級生や公衆衛生看護学の学生との合同授業があり、様々な観点から学びを深めることができます。実習では、県内の周産期母子医療センターなどの高度な医療機関から地域の助産院まで幅広い施設で、助産技術を身につけることができます。本学での演習や実習、研究を通して、女性の一生を支える助産師になれるよう、仲間と日々切磋琢磨しながら学習しています。
実践者養成コース助産学 第3期生
助産学教員(左から) [ 講師] 松下 有希子 [ 教授 ] 木戸 久美子
[ 准教授] 植村 裕子 [ 助手 ] 十河 美智子
- 近年、地域で生活している女性が、安心で満足のいくお産ができるように、母子と家族を支える専門職である助産師の果たすべき役割は益々高まってきています。香川県立保健医療大学大学院では、令和4年度に保健医療学研究科看護学専攻実践者養成コース(助産学)を設置しました。
2年間のカリキュラムで、助産実践の基礎を修得したのちに、応用力を身につけ、最終的に研究力を備えた実践能力が修得できるように科目を配置しています。助産師が対処すべき地域における課題について、先陣を切って取り組み、目の前にいる母子とその家族を中心とした助産実践ができる人材を養成しています。